1億円という数字は、ふだんの生活の体感からすると、少し遠い山に見えます
給料が入って、家賃や食費や通信費が出ていって、残りで来月を考える
その繰り返しの中で、1億円は別の世界の話に聞こえやすいです
でも同時に、社会のどこかでは、淡々と積み上がったり、淡々と減ったりしている数字でもあります
今日は、天才の一発や、特別な裏技ではなくて
普通の人が、1億円貯める現実的な話です
ここでいう普通の人は、特別な家の太さや、突然の大当たりがなくて
それでも働いて、生活を回して、疲れたり笑ったりしながら暮らしている人です
この人が1億円に近づく道は、だいたい三つの要素が混ざります
仕事を頑張って収入を上げること
無駄遣いをなくし支出を整えて残すこと
資産運用でお金にに働いてもらうこと
現実でよく起きるのは、収入が増えると支出も増えやすいことです
人は収入に合わせて、安心の基準を少しずつ上げます
便利なものが増えて、外食が増えて、部屋が少し良くなる
それ自体は悪いことではないです
暮らしは楽になります
でも1億円の話になると、ここが分かれ道になります
増えた分を全部、生活の快適さに変えるのか
増えた分の一部を、資産側に回すのか
この差は、数年では小さく見えても、十年単位で大きく見えてきます
そして意外な点が一つあります
節約が続く人は、我慢が強い人というより、不安の扱いが上手い人に見えることがあります
不安が強いと、買い物で安心を買いやすいからです
だから家計は、数字の勝負というより、安心の設計に近づいていきます
社会側から見ると、1億円への道は、個人の努力だけで決まりにくいです
給料が伸びる業界かどうか
転職市場が動くかどうか
物価がどう動くか
景気でボーナスが揺れるか
税や制度がどう変わるか
こういう外の波の影響を受けます
だから現実的な人ほど、一本道に賭けるより、細い道を複数持つことを考えます
会社での昇給を狙いつつ、副業を小さく試して、投資は分散して続ける
この分散のメリットは、どれかが止まっても全部が止まりにくいことです
デメリットは、やることが増えて、気持ちの余白が減りやすいことです
安定と余白は、同時に最大になりにくいです
ここで具体的なモデルケースを置きます
よくある一般パターンとして、仕事を頑張って年収600万円にして、毎年200万円を貯めるとします
貯めた200万円のうち、半分の100万円は現金で置きます
残りの100万円は、NISAで、全世界株式、通称オルカンに連動する商品に積み立てます
全世界株式は、世界中の会社を広く持つ考え方で
どこか一国が不調でも、全部が同じ速度で沈みにくいかもしれない、という発想です
ただし世界全体が下がる年もあります
このモデルで、30歳から毎年同じペースで続けるとします
現金の100万円は、毎年まっすぐ増えていきます
30年続ければ3000万円、35年で3500万円、という増え方です
一方で投資の100万円は、毎年増えたり減ったりしながら、平均の伸びがあるなら、後半ほど効きやすいです
これが複利の見え方で、最初は地味で、途中からじわっと景色が変わります
では、だいたい何歳で1億円に届くのか
ここは正確な予言ではなく、平均がこうなら、という目安として置きます
もし投資の平均が年5パーセントくらいで進むなら、30歳開始で、だいたい61歳前後で1億円に届く計算に近づきます
もし平均が年3パーセントくらいなら、だいたい67歳前後まで伸びやすいです
もし平均が年7パーセントくらいなら、だいたい57歳前後まで早まる見え方になります
でも現金で積む分は直線で、投資で増える分は曲線で、曲線が目立つのは後半だからです
つまり途中は静かで、最後の数年が派手に見えやすいです
ただしデメリットも同じくらいはっきりしています
毎年同じように増えるわけではないです
大きく下がる年に、積み立てをやめたくなると、曲線の良さが消えやすいです
逆に下がる年も淡々と続けると、回復の年に効くこともあります
ここは知識より、気持ちの耐久力に近いです
それと、年200万円を貯め続けること自体も、簡単ではないです
体調や家族の事情や、働き方の変化で、毎年同じペースは崩れることがあります
だからこのモデルは、できる人が偉い、という話ではなく
どこが現実の壁になりやすいかを、先に見える形にする道具みたいなものです
1億円を目指す過程で起きやすい副作用は、人間関係の温度差です
節約が進むと、飲み会が減るかもしれません
副業が入ると、誘いを断る回数が増えるかもしれません
投資を始めると、値動きが気になって、頭の片隅が市場につながることがあります
本人にとっては自然でも、周りからは、少し変わったように見えることがあります
一方で、良い面もあります
お金の余裕ができて、家族に優しくなれる人もいます
介護や教育や引っ越しで、選べる幅が増える人もいます
だから副作用は、壊れるとも限らないし、救われるとも限らないです
それと、もう一つの歪みがあります
資産が増えるほど、失う怖さも増えることがあります
増えたのに落ち着かない
少し減っただけで一日中気になる
数字が心の天気を決める割合が増える
この現象は、資産が少ないときより、増えてきたときに出やすいです
作るゲームから、守るゲームに移るからです
さっきのモデルケースは、1億円を作る話に見えます
でも別の見方をすると、不安を小さく分けて扱う練習にも見えます
年200万円を貯める行動は、未来の安心を買う行動です
ただし、その安心のために、今の時間や体力を使いすぎることもあります
同じルートでも、人によっては自由が増え
別の人には、窮屈さが増える
だから1億円は、ゴールというより、価値観を映す鏡みたいにも見えます
到達して初めて、自分が本当に守りたかったものが、お金じゃなかったと気づく人もいるかもしれません
逆に、守りたかったものが、やっぱり安心だったと確かめる人もいるかもしれません
普通の人が1億円を作る現実ルートは、派手な裏技より、地味な継続の形として現れやすいです
年収を少しずつ上げて、残す額を決めて、投資は分散して、淡々と続ける
そのメリットは、再現しやすいことです
そのデメリットは、途中が退屈で、下がる局面で気持ちが揺れやすいことです
そして不思議なことに、1億円が近づくほど、作るより守るが主役になります
もし30歳からこのモデルを始めて、60歳前後で1億円が見えてきたとき
あなたがいちばん守りたいのは、お金そのものですか、それとも別の何かですか
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