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税金と社会保険料が0になったら日本はどうなるか

もし税金と社会保険料が0になったら。
日本はどうなるのか。

今日は。
ある前提で想像します。

税金は0。
社会保険料も0。

そして同時に。
税と保険料で動いていた国や自治体のサービスは。
基本的に全部なくなる。
今までの制度は停止する。

ここから先は。
便利さが消える話ではありません。
安心の仕組みが消える話です。


まず。目の前の変化。

給料明細から。
引かれるものがなくなる。
手取りは増える。

レジでも。
税がない。
支払う金額は下がる。

ここまでは。
気持ちがいい変化です。

でも。
その裏側で。
国や町がやっていたことが止まります。


次に。消えるもの。

国や自治体が運営する学校は消える。
健康保険は消える。
年金は消える。
介護保険も消える。
生活保護も消える。
失業手当も消える。

警察も消防も。
国の仕組みとしては消える。

道路や水道や下水の維持も。
国や自治体としてはやらない。

ただし。
民間や地域が代わりに作る可能性は残る。
自然に生まれるものとして扱います。
国や自治体が用意するものではない。
ここが前提です。


いまの日本は。
国や自治体のサービスが多い国です。
当たり前に見えるものほど。
税と保険料の上に乗っています。

それが消えると。
人はまず。
自分の生活を守るために。
別の仕組みを探します。

それはだいたい。
三つの形に近づきます。

一つは家族。
一つは会社。
一つは市場。
お金で買う世界です。

そして場所によって。
強い地域と弱い地域が生まれます。
人が多い町。
企業が集まる町。
そういう場所は回りやすい。
人が減る町は回りにくい。
この差は大きくなりそうです。


まず水です。

水道が止まる可能性があります。
水は民間が売る形になります。
井戸を掘る家が増えるかもしれません。
水を運ぶビジネスが生まれるかもしれません。

次は電気です。

電気は今でも会社が作っています。
でも送電網や災害対応は。
国や自治体のまとめ役が大きい。
それが弱まると。
停電が長引く地域が出るかもしれません。

ゴミもです。

ゴミを集める人がいないと。
町はすぐ汚れてしまいます。
だから民間の回収が生まれます。
払える家は契約する。
払えない家は置き場に困る。
町の衛生の差が出ます。


安全面に関しては。

警察がない。
これは想像より重いです。

軽い犯罪。
万引き。
自転車の盗難。
嫌がらせ。
こういうものが増えるかもしれません。

そして大きい犯罪。
詐欺。
暴力。
組織の支配。
こういうものも増えるかもしれません。

代わりに何が起きるか。
民間の警備が増えます。
マンションや商店街は。
守るためにお金を出します。

でも。
守る力もお金で決まるなら。
安全も値札になります。
安全な地域と。
危ない地域が分かれます。

火事も同じです。

消防がないと。
初期消火の速さが変わります。
保険会社が。
火事のリスクで家の値段を変えるかもしれません。
木造の町が住みにくくなるかもしれません。


医療に関しては。

健康保険がない。
病院は基本的に全額自己負担です。

風邪でも。
行くか迷う人が増えます。
歯の治療を先送りする人も増えます。
結果として。
悪化してから行く人が増えるかもしれません。

一方で。
民間の医療保険が強くなります。
若くて健康な人は入りやすい。
高齢者や持病がある人は高くなる。
そもそも入れない場合もある。

医療の質は。
高いお金を払える人には上がるかもしれません。
待ち時間が減る。
設備が良くなる。
丁寧なサービスが増える。

でも。
払えない人には下がります。
町医者が消える地域が出る。
救急の空白が出る。
命の差が。
家計の差になりやすいです。


教育に関しては。

国や自治体が運営する学校がない。
これは社会の形を変えます。

親は選びます。
私立に入れる。
家庭で教える。
地域の小さな学校を作る。
オンラインにする。

良い面もあります。
学び方の自由が増える。
子どもの個性に合う学校が増えるかもしれません。
古い校則や一律の授業が減る可能性もあります。

悪い面もあります。
家の財布で学力が決まる。
親が忙しい家庭ほど不利になる。
学校に行けない子が増える。

学校は勉強だけではありません。
友だちを作る。
給食を食べる。
安全な居場所になる。
それが消えると。
子どもの孤独が増えるかもしれません。


仕事と会社に関しては。

失業手当がない。
労災の仕組みも弱い。
そうなると。
仕事の選び方が変わります。

人は安全な会社を求めます。
会社が保険や医療を用意するなら。
会社の力が強くなります。
会社が小さな国のようになります。

でもこれは。
会社に守られる安心がある一方で。
会社を辞めにくくなる可能性があります。
いわゆる鎖が強くなる。
そんな世界もありえます。


経済に関しては。

手取りが増える。
これは確かに起きます。
税も保険料もないからです。

けれど。
人はその分を。
全部使うとは限りません。

病気が怖い。
老後が怖い。
治安が怖い。
だから貯める。
保険を買う。
引っ越す。
こういう使い方が増えます。

すると。
外食や旅行に回るお金より。
守りに回るお金が増えるかもしれません。
楽しい消費より。
不安の消費です。

そして。
地域の値段が大きく変わります。

安全で水が安定していて。
病院と学校がある場所。
そこに人が集まり。
家賃や土地が上がります。

逆に。
空白が増える地域は下がります。
移動の自由がある人ほど。
良い場所へ逃げやすい。
移動できない人ほど。
取り残されやすい。


人間への影響に関しては。

安心の形が変わる。

今までの安心は。
みんなで少しずつ出して。
困った人を支える形でした。

それが消えると。
安心は個人で買うものになります。

保険を買える人は安心が増える。
買えない人は不安が増える。
この差は。
目に見えないけれど強いです。

家族の重さが増える。

介護が国や自治体の制度でないなら。
家族が抱えます。
子育ても国や自治体の仕組みでないなら。
家族が抱えます。

家族が強い人は守られる。
家族がいない人は孤独になりやすい。
ここでも差が出ます。

優しさも変わる。

国や自治体の制度がないと。
助け合いは消える。
そうは限りません。

地域の寄付。
教会や寺。
NPO。
互助組織。
新しい助け合いが生まれる可能性もあります。

ただ。
それが安定して続くかは分かりません。
景気が悪いと寄付は減ります。
人が忙しいとボランティアは減ります。
助け合いが揺れる世界です。


副作用や歪み。

ただの自由では終わらない。

税も保険料も0。
それは自由に見えます。

でも自由は。
ルールが弱い場所では。
強い人の自由になりやすいです。

守る人を雇える。
情報を持っている。
交渉に強い。
そういう人が有利になります。

見えないコストが増える。

国に払わない代わりに。
別の所に払う。

警備費。
保険料。
水の契約。
教育費。
医療費。

税が0でも。
支払いが0になるとは限りません。
名前が変わるだけかもしれません。
むしろ。
高くなる人もいます。


視点の切り替え。

健康で若い人。

いまは得に見えるかもしれません。
病院に行かない。
年金もまだ遠い。
税も払いたくない。

でも事故や病気は突然来ます。
その時に。
守るものを持っているかどうか。
差が出ます。

子どもがいる家庭。

教育と医療の負担が重くなります。
子どもは選べないからです。
親の選択が。
子の未来を決めやすい。
重いです。

高齢者。

医療と生活の支えが消えるなら。
最も揺れます。
家族がいるか。
貯金があるか。
住む地域は安全か。
そこに命が近づきます。

企業。

企業は。
税がない分、伸びるかもしれません。
でも治安が悪いと投資は逃げます。
教育が弱いと人材が育ちません。
企業にとっても。
国や自治体の仕組みがない世界は。
単純に楽とは限りません。


税も保険料も0。
そして国や自治体のサービスも0。

その世界は。
手取りを増やします。
同時に。
安心を買う必要も増やします。

自由が広がる人もいる。
苦しくなる人もいる。
地域で差も広がるかもしれない。

もし日本が。
その世界に一歩近づくとしたら。

あなたはまず。
何を自分で買い。
何を誰と一緒に守りたいですか。

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